2014年06月10日
「Brown Bear, Brown Bear,What Do You See?」をどう読み、どう表現するか?

最初に断っておくけれど、ボクは彼らの読み方を否定したい訳じゃない!
「この絵本をどう読み表すか」を考察してみたいだけなのだ...。
いつかボクもするであろう、英語での紙芝居、英語での読み聞かせのために!
先日、「子どもによる絵本・紙芝居読み聞かせ発表会」で、小学校3年生の男女二人組がこのエリックカールの絵本(英語版)を発表した。
うちのチビも3年生だけど、「これが3年生なの?」と思う程発音もよく、堂々とした読み聞かせだった。
彼らの他に、「The Very Hungry Caterpillar」(「はらぺこあおむし」)を読んだ5年生も、それは同じだった。
「でも...。」
ボクはどうしても、腑に落ちない!
きっと、彼らにこれらの絵本の手本を見せたであろう先生や親も、きっと同じ様な読み方をするであろうし、それを誰も疑問には思わないだろう。
「でも...。」
何か、日本人が読む英語の読み聞かせって、とても変な感じがする。
英語の授業の様なよそよそしさっていうか...。
「please repeat after me.」ってな感じである!
何か、通常会話じゃないよね?
この「Brown Bear, Brown Bear,What Do You See?」(「くまさん くまさん なにみてるの?」)は会話調の絵本なのだけど...。
冒頭は、下記の様なセンテンスが続く。
「Brown bear, brown bear,what do you see?」
「I see a red bird looking at me.」
これを日本語にすると...。(夢追人訳 *注 日本語版の絵本のテキストと違います!)
「くまさん くまさん なにが見えるの?」
「私を見ている赤い鳥が見える。」
次々と動物が替わって、繰り返される同じ質問、同じ答え方。
日本語であったなら、きっとあんなに淡々とは読まないのではないだろうか?
”くまさん くまさん”の部分には、もっと親しみが込められるだろうし、”赤い鳥を見てるんだ”の部分には(笑)くらいのニュアンスがきっと加えられることだろう。
それに、上の訳ではなく、
「くまさん くまさん 何をご覧になっていらっしゃるの?」
「私をみつめる赤い鳥をみているのさ。」
って訳にもなり得る。
日本語って、いろいろな言い表し方があるからね...。
例えば「I love you.」一つをとってみても、日本語なら違った表し方が無限にあるだろう。
でも、英語は単純!
誰が相手であっても、そんなに変わらない。
「I love You.」は「I love You.」!
では、同じ言葉で、どうやってニュアンスを伝えているかって言うと...。
ズバリ、声色と間の取り方と、表情とジェスチャーなのだ!
日本人は淡々とした喋り方で、余り表情もジェスチャーも豊かではない。
表現力が乏しいから、逆に語彙や言い回しが発達したともいえる。
で、その乏しい表現力で、単純な英文を読むと....。
「何か、妙によそよそしくなるのではないか?」っていうのが、ボクの推測な訳だ!
実際、ネイティブアメリカンによる、絵本の読み聞かせを観たことがあるけど、とってもアグレッシブで、表情もジェスチャーも豊かだった。
こっちが恥ずかしくなる程に...。
あそこまではやれないけど、日本人独特の淡々とした語りは、英語の読み聞かせには正直不向きだとボクは思う!
それが、ボクがおいそれと英語の紙芝居に踏み込まない理由でもある訳だけど...。
やはり使い慣れた言語(日本語)であれば、生活に密着した形でニュアンスも含めた立体的な表現ができるけど、慣れない英文を操ることは、発音や文法などに気とエネルギーを取られて、生きた言葉として表現するに至らないのではないかと...。
何か、”言の葉”ではなく、記号的な...。
上手く書き表すことができないないんだけど...。
ああ〜、英語での読み聞かせの道は険しい!
いつか、ボクも挑戦する日が来るのかな〜?
よろず語り部 夢追人拝